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奥武蔵に生きる写真家の表現と日常

2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

渚にて

夏の終わりに。 水の恩恵 森の芳香 光の熱波 時として自然界は私たちに思わぬ猛威を振るう。 だがそのエネルギーこそ生命全体の原動力でもある。 痛みに打ちのめされ、傷つけられたとしても忘れないで欲しい。 私たちが母なる地球に包み生かされていることに…

楽土へ

行けども行けども雲の中。 ここは現世なのかはたまたあの世なのか、 歩くほどに己の居場所がわからなくなる・・・ 楽土への道は長く遠きみち。 1998.8.14 十勝岳・北海道 Canon NF1 20-35mm F3.5L RVP

深林美

噴火から長い年月を掛け育まれてきた成熟した森。 コメツガ、ブナ、ダケカンバなどが均等なバランスのもと、棲み分ける。 混沌とした中に保たれる見事な調和。 そこには得体の知れない気配が漂っている。 半分は、私自身のおびえた感情。 残り半分は、山の持…

朝の浜辺

魂は海から渡来し、再び海へ還るともいう。 また、海の彼方に楽土があるとも。 周囲を海に囲まれた日本列島。 否応なく、海を通して人も文化も流れて来る。 遠い過去、三方の大陸や島々から大挙この列島を目指し、 流民たちがやって来たのだともいう。 その…

富山湾夕景色

富山湾を隔て、能登半島に日は落ちた。 夕日の向かう先はユーラシアか。 やがて、雲は天空を朱に染める。 私の目線は大気を突き抜け、地球を俯瞰する。 今日一日、無事に生きられたことに感謝しよう。 そして、明日の光に胸躍らせよう。 2004.8.15 富山・北…

シラカバの森

標高1500m。八ヶ岳山麓に広がる八千穂高原。 この辺りは日本有数のシラカバ群生地として知られる。 シラカバは明るく光の注ぐ開けた場所に育つ。 幾度となく噴火を繰り返し、その都度、荒涼とした原野を、 せっせと森に変えるのが役目だ。 ところが、ようや…

落葉に思う

森の中の小さな池。 無数の落ち葉が幾重にもかさなり、朽ちようとしている。 水中で腐葉化するまでどれほどの時間がかかるのか。 やがて、再び池端の木々の養分となり、 更には沢の流れに揺られ多くの生物たちの糧となる。 むろん、人も有形無形にその恩恵を…

岳樺 の夏

古い写真だ。 私が22才の時のもの。 特にどうということのないものだが、とても思い入れのある写真の一つ。 なぜなら、日本アルプス初体験で撮ったものだから。 この頃からコダック製のコダクロームというリバーサルフィルムを使い始めた。 それ以前の国産フ…

清楚

透明感、水の動きといった視覚的な印象とともに、 流れの音が相まることで、 水への思慕は一層強いものとなる。 染み出しの静かなそよぎ。 真一文字に落ちる一本の筋。 落差のある滝。 激流の勢い・・・ 流れの音も様々だ。 1998.8.10 北海道・大雪山麓・忠…

生きている水

ライアル・ワトソンの「水の惑星」を読んでいると、 ほんとうに水は生きていると感じられる。 ただ、動いているから・・・ではなく、 ひとつひとつにH2Oの集合体が意志を持って、 生きている・・・ということ。 もし、日常的に水とコミュニケートできるなら…

水と森

極相を謳歌するブナの森から霧が立つ。 水の精が天に昇る瞬間か。 天と地を循環する水。 森はその浄化役だ。 水によって森は生気をたたえ、 浸み出す水は肥沃な栄養を海へと運ぶ。 海と森。 どちらも水に包まれている。 1995.8.26 青森・白神山地 Canon NF1 …

はぐれ雲

ふんわりと浮かんだ雲。 見ようによってさまざまなもの・形にみたてることができそう。 雲を見て、想像を膨らませてみる。 少年の頃から飽くことなく眺め続けた空。 雲はその空を様々に演出してくれる。 人は、時として雲から安らぎや生きる力を感じるようだ…

森の清水

関東ではもっともまとまったボリュームのブナ林がある玉原。 その樹間の流れはあまりにも清楚だ。 ブナの葉が堆積した沢と呼ぶにはあまりにも小さな流れ。 どこからともなくしみ出す水はやがて大河となり太平洋へと向かう。 一粒、一粒の水に命を感じる。 命…

空に感じること

台風の影響で不安定な気流の中、 ようやく青空が顔を覗かせた。 絶えず西からの風が吹き上げてくる稜線で、 旨い空気を腹一杯吸ってみる。 肉体と精神に新しい活力が湧き上がる。 都心からほんの僅かしか離れていないのに、 空気がこんなに美味しいなんて。 …

残雪

夜明けの気配を感じ、冷気が天へと帰って行く。 池に漂う残雪は巨大な流氷のよう。 やがて雄山の稜線から朝日が差し込む。 逆光に照らされたモヤと冷気が重なり、 辺りは光で満ちあふれてゆく。 2000.8.15 富山・立山室堂・みくりが池 Canon F1 FD80-200mm F…

落日

夕日を見るなら日本海がいい。 なかでも新潟から東北沿岸は西側が海に面し角度がいい。 海無し県育ちの私だが、たった一度だけ、 夕日の最後の一滴まで海に消えていく瞬間を見たことがある。 それがこの時。このあと太陽は真っ直ぐにロシアへ向かった。 以来…

夜明けの岳樺

北海道を旅した後、フェリーで青森へ渡った。 青森は名の通り森の国だ。 白神山地、十和田、八甲田・・・ よくぞ、これだけの森が開発されずに今に至ったと思う。 森に抱かれながら無性に誰彼なく、感謝したくなる。 もはやこんな時代だから、いっそ青森全域…

岩壁に生きる

深山に育つ岳樺(ダケカンバ)が好きだ。 たまらなく愛着を感じる。 山を歩いていて、見かけると思わずファインダーを覗いてしまう。 岳樺は白樺の仲間だ。 明るく開けた環境を好む白樺に対して、岳樺はもっと標高の高い(あるいは緯度の高い)場所に生息す…

午後のジャンダルム

岳沢側から絶えず湧き上がる雲間にジャンダルムが浮かぶ。 気の遠くなるような長い時間を経てできあがった自然界のフォルムは見る者を圧倒する。 魔性の黒い塊に多くの人が引きつけられ、そしてある者は帰らなかった。 大きな自然、偉大な自然を目のあたりに…

湿原の朝

随分古い写真だ。 もう20年以上も前になる。 私が24才の時に撮ったものだ。 埼玉の自宅から自転車を漕いで尾瀬まで向かった。 三脚、35ミリ、ブローニーカメラまで持って・・・ 元気が良いというか、バカというか。 とにかくエネルギーが余っていた。 何かに…

乗鞍岳

夜明け前。 山頂にかかる雲が真っ先に日に染まる。 折しもペルセウス流星群の極大日。 未明には幾多の光跡が流れていった。 神の山・乗鞍に朝の光が差し込む頃、 眠い目を擦りながら、登拝準備にかかる。 1999.8.13 長野・位ヶ原より乗鞍岳山頂方面を望む Ca…

西日を浴びて

夕日に照らされ、黄金に染まる雲が谷を駆け上る。 眼前には剣岳が黒々とした岩肌をさらしている。 背後では立山連峰が残照に燃える。 すっかり陽が沈んだあと、別山の稜線に煌々と満月が昇ってきた。 生きていることのありがたさをこんなにも感じた瞬間は、 …

ミズナラ

八甲田から十和田湖方面へ移動する途中、 蔦温泉というシンプルでシャープな温泉がある。 その裏手に広がる森は多くの写真家を魅了する。 故前田真三氏のお気に入り撮影地でもあった。 その一角に端正なミズナラの森がある。 ブナが多いこの周辺で、ミズナラ…

夏の山上

日本海に面した白山には大量の雪が降る。 そのため山頂付近には夏になっても残雪が残っている。 絶え間なく流れゆく雪代(雪解け水)は加賀平野を潤し、 肥沃な大地を作る。 人々はその水を飲み、そこから生まれる米を食して生きている。 1994.8 石川・白山…

輪廻の森

森は命の回廊だ。たくさんの生命を育んでいる。 木はいつかは倒れる。しかし、一つの命が消えることで、 次の命へと橋渡しをする。やがて倒れた木は、新しい命となり、 再び森の王となる。 映画「風の谷のナウシカ」でオームは言う。 ワレワレハ コニシテ ゼ…

光る雲

折からの台風10号の影響で一日中空は不安定だった。 積雲が西日を隠した瞬間、光の筋が走った。 雲のエッジが眩く輝き、オーラを放っているかのよう。 太陽と地球、大気と雲が織りなす絶妙なコンビネーション。 ほんの僅かな出来事ではあったけれど、目の前…

ご来光

小学4年と6年の娘たちとその友人や知人とともに、夜の富士山に登った。 七合目を過ぎた辺りから、数人が体調を崩し、足並みが遅れた。 酸素が希薄なためおきる高度障害だ。 やむなく一昨年に引き続き、八合目(3100m)で引き返すことにした。 しかし、このま…

夏雲立つ

午後の日差しを受け、御殿場付近から激しく雲が湧き上がってきた。 今にものしかかってきそうな、巨大生物のように。(ゴジラか) あるいはネバーエンディングストーリーに登場した岩男のようにも見える。 (私の写真には良く様々な顔が写っている。ただ、そ…

輝く入り江

天と海 いずれも「あま」と読む 遠い神話の時代、神々は天から降臨し、海から渡来してきた。 ひとつひとつの微細な生命力が魂の滴となって。 1995.9.19 青森・陸奥湾の夜明け Canon NF1 FD300mm F4L RVP

楽土成就

立山連峰、別山山頂で向かえた夜明け。正面に望むのは後立山連峰だ。 画面には無いが、対面には沈み行く満月が浮かぶ。 日の光と共に肉体に熱が宿る。 生きて新たな朝が迎えられたことを素直に感謝する瞬間。 私にとって山へ登ること・・・それは祈りに他な…