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奥武蔵に生きる写真家の表現と日常

ご来光

小学4年と6年の娘たちとその友人や知人とともに、夜の富士山に登った。

七合目を過ぎた辺りから、数人が体調を崩し、足並みが遅れた。

酸素が希薄なためおきる高度障害だ。

 

やむなく一昨年に引き続き、八合目(3100m)で引き返すことにした。

しかし、このまま夜の下山は皆に辛すぎると思い、

七合目付近にある緊急避難小屋(雷避けの石室)でビバークすることにした。

 

天空は幾万の星々で満たされていた。

銀河がうねりをあげて横たわっている。

 

着の身着のままで山の夜を明かすことは、子供たちにとって少なからぬ体験となったことだろう。

寒さ、闇への恐怖、寝心地の悪さ・・・

 

それなりの困難を乗り越えて向かえる朝の光は格別だ。

目の前の光景は、それぞれの心に深く染みこんで行くことだろう。

 

眼下には雲の絨毯が広がっていた。

背後には雲一つ無い富士山頂が輝いて見えた。

 

2004.7.28 山梨・富士山七合目緊急避難小屋前から望む御来光

Canon NF1 FD28mm F2.8 RVP100