横手渓谷へ 消滅した渓谷美
日没近くになって、夕涼みのポタリング。
横手渓谷の日差しはとうになく、
はるか積乱雲だけが、残照に輝いていた。
ここに遊歩道が完成したのは、2012年2月のこと。
それまで樹木(もしくは草原)で覆われていた地形を整え、
「埼玉県の水辺再生100プラン推進事業」
として、造ったものだ。残念ながら鋭角に折れ曲がった路面には美しさが感じらず、路肩にあえて山の採石を敷くあたり、そのセンスの程がうかがえる。
(この場合のセンスとはこういうことではないだろうか)
遊歩道のできる前、上流側から見た写真。2002年の撮影。
川と、人の生活が一体化した山あいならではの風景が点在していた。
武幡横手神社と川は1本に繋がっていた。
遊歩道はそんな場所にこつ然と現れ、人々の生活や、神社(信仰)と川を遮断した。
その後、遊歩道は巾着田周辺に飛び火した。
そして、今秋、更に下流へと増殖を続けようとしている。
という企画が進行中だ。
皆さんは、
「川のまるごと再生」
の文面を素直に読んで、どのようなイメージを想像するだろうか。
もし、その川が、渓流、渓谷だとしたら・・・
私のイメージでは、山林の保水力アップ、古い護岸を取り除き、自然環境の復元と信仰の復活、クルミやカツラ、ヤナギなど広葉樹、またはタブ、カシ、シイなど照葉樹の植林、水質の向上、生活排水の徹底除去、ホタルや、カジカガエルなど水棲動物の活性化、天然アユの遡上、ヤマセミの復活、モモンガ、ムササビ、ホンドリスなどの樹上性ほ乳類の呼び込み、河原への車乗り入れ禁止と人と河原を結ぶ細い道・・・そんなイメージを思い描く。
では、コンクリートで固めた遊歩道が、どのように「再生」につながるのだろうか?
私には、どう思考を巡らせても理解できない。
日高市は、横手地区から北平沢地区まで、高麗川を断続的に遊歩道で結ぶ計画だ。
いったい、何のために?
そしてまた、誰のために?
【 横手渓谷】
Date 2015/8/5
Dist 10.97km
Time 38.25
Ave 17.1km/h
Max 45.6km/h
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