高麗川を歩いた 川のまるごと再生プロジェクト 現地確認 出世橋〜天神橋
*お知らせ*
今後、高麗川 川のまるごと再生プロジェクト関係の情報は
でお伝えして行きます。
本ブログでは当初の目的どおり、自転車で楽しみながら、
奥武蔵の素晴らしさを紹介できればと思います。
今後ともよろしくお願い致します。
さて、突然、降ってきたかのように湧きあがる高麗川遊歩道計画。
ここで取り上げる高麗川遊歩道計画とは、
埼玉県 川のまるごと再生プロジェクトの一環として計画されている。
この問題、以前にも記事として取り上げているが、
okumusashi-bike.hatenablog.com
とにもかくも、遊歩道予定地の現況と、高麗川の現状を知るため、
まずは有志で実際に川を歩いてみようということになった。
https://www.pref.saitama.lg.jp/a1008/kawanosaisei/documents/554033_1.pdf
そこで早速本日、高麗神社前、出世橋から上流へ向かって歩いてきた。
歩行距離 およそ3km、河川の高度差 およそ6m
新井橋下流。正面奥が今回の遊歩道予定地。
出世橋から新井橋にかけては、今回の遊歩道計画には含まれてはいない。
しかし、改めて気にとめながら歩いてみると、
両岸の多くに何らかの護岸が施され、
護岸のない自然状態が保たれている場所は、ほんの一部に限られていた、
長い年月の積み重ねによるもので、
工期、工法の違いにより、その印象も様々だった。
新井橋付近、遊歩道予定地(左岸)。茂みの中に護岸壁があり、歩道はその上をトレースするのだろうか。
新井橋上流、左岸。遊歩道は奥の橋基部から、画面左側林の部分が予定されている。
夏草に覆われて見えないが、既に護岸補強が成されている。
おそらく護岸に沿って遊歩道計画は予定されているのだろう。
新井橋と獅子岩橋の中間(左岸) 遊歩道はこの林に沿って予定されている。
林の基部は護岸整備済み。
この辺り、広大な河川エリアが開け、増水時は一面の水となる。
古くは周辺民家の浸水もあったと聞いている。
下流から獅子岩橋を望む。遊歩道は、この橋と、下流の新井橋を川沿いに結ぶ計画だ。
ちなみにこの二つの橋は市道で結ばれ、直線距離150mあまりだ。
獅子岩橋上流(右岸)。今回の計画には含まれないエリア。瀬の響きが心地よい。
獅子岩橋、高岡橋区間では、昼間病院下に古い護岸処理が見られる。
高岡橋下流より大岩方面を。両岸が樹木に覆われ、護岸整備されていない、高麗川の中でも限られた場所だ。今回の遊歩道予定地には含まれてはいないが、このような場所に遊歩道ができるとしたら、景観は一変する。
高岡橋下流、大岩付近。
増水の度に川の流れは変化を繰り返す。
本来の川は自由奔放だ。
時には荒ぶるエネルギーを発揮し、生活が脅かされるが、
川との適度な距離を保つことで、人々は折り合いをつけてきた。
高岡橋基部(右岸)ここからお藏淵まで遊歩道が計画されている。
高岡橋・お蔵淵間(右岸)
現在、川筋は左岸側を流れているが、かつては、今、河原となっているところを流れていた。
遊歩道は、樹木に沿った状態で計画されている。
このあたり、カシやケヤキの大木が多く、
護岸の整備も無い、自然状態に近い雰囲気を味わうことができる、
高麗川でも限られた貴重な場所だ。
この辺りで最大の幹回りをもつケヤキの巨樹を前に【上部が伐採される前の写真】
以前は、この巨樹のほとりを川は流れていた。
この辺り、嶋田忠さん写真集「カワセミ・清流に翔ぶ」の撮影地として重要だ。
お蔵淵付近から下流の高岡橋方面を望む。
写真右側(右岸)林の下に遊歩道が計画されている。
広い河原は、遊歩道など無くとも、充分歩くことが可能だ。
お藏淵。正面の竹林に沿って遊歩道が予定されている。
ここはすっかり浸食が進み、
淵から延びる道路は陥没してしまった。
清流橋下流(お藏淵上流)、竹林に沿った遊歩道予定地。
淵へ続く浅瀬は今も昔も、緩やかに流れている。
清流橋上流の河原で昼食。奥に亀岩が見える。
以前、この傍らに高麗学童保育室があり、
ここの河原は夏いっぱい、子どもたちの遊び場となっていた。
天神橋下流(右岸)遊歩道予定地。既にポール(右奥)、赤旗(左手前)が立っていた。
天神橋を右岸から見たところ。
橋の基部に遊歩道が回り込む。
今回の計画でも、これに準じたものになるのだろうか。
下記ブログに習うならば、今回のプロジェクトは、
「高麗川 川のまるごと喪失プロジェクト」ということになるのでしょうか。
巾着田の水路へ続く魚道だ。真新しく、物々しい建造物が、
周囲への圧力と違和感を醸し出している。
これが、 例えば都市型河川の河口付近であったなら、
景観とのマッチングもあり得るかもしれないが、
少なくともこの場所では環境との一体感が微塵も感じられない。
特に直ぐ付近のあいあい橋と対比させた場合のバランスの悪さ、
俯瞰した場合の日和田山との構図をイメージすると、残念と言わざるを得ない。
かくも魚道とは、大がかりなものにしなければ、役割を果たさないものなのだろうか。
丸一日かけて、高麗川の出世橋から、天神橋までを歩いてみた。
気がつけば、既に陽は西に傾いていた。
今回の川歩きで、普段、道路から見る川とは全く違う、
豊かな川筋の様相を再確認することができた。
多様な変化に富んだ高麗川ではあるが、
よくよく見ると、護岸工事は思いの外進み、
自然形態のまま川岸が保たれている場所は、
ごく一部に限られていることも分かった。
今回の遊歩道計画に含まれる、お蔵淵から下流にかけては、
自然のままの様相が色濃く保たれ、
高麗川の中でも貴重なエリアであることが推測される。
環境アセスメントの対象外とは言え、
市独自による、しっかりした環境調査が必要だ。
特に、カジカガエル等の両生類、
中でも遊歩道予定地に面している湧水周辺では、
トウキョウサンショウウオ、アカハライモリ等絶滅危惧種の生息の可能性も推測できる。
仮にきちんとした調査のなされないまま、消滅してしまうことがあるとするならば、
私たちは宝物の幾つかを失い、
未来への受け渡しを果たせなくなってしまう。
そもそも、湧水そのものが、高麗川沿いの多くの場所で既に消滅している可能性もあり、
現地に涌き出しているものが、どれほどの重要性があるのか、知る必要があるだろう。
また、清流橋上流から天神橋にかけては、民家が多く隣接、
今までの度重なる河川造成の結果、
川筋が大幅に変化してしまったことを鑑みると、
増水時の浸水は特に懸念されるため、より慎重な調査が望まれる。
2011.7.20 あいあい橋より天神淵、天神橋方面を望む
とにかく、私たちは高麗川について、もっとたくさんのことを知る必要があるだろうし、
学ばなければならないことが多くある。
仮に日高市が予定地の環境に対する情報を既に入手しているのなら、
できるだけのことを、市民に公開していただきたい。
そうすることで、私たちの川へ対する理解度も進み、
行政と市民との距離感も縮まることだろう。
私たちは、むやみ闇雲に遊歩道計画に対して異議を唱えるつもりはない。
ただ、時代は変化し、双方共に20世紀型のごり押し公共事業、
主張一片道の市民意識と対立構造から脱却し、
21世紀型といえる、未来へ向けた、地域共同意識の上で、
双方が歩み寄り、
互いにできるだけ納得の行く計画や、構想を練って欲しいと思っている。
この土地を愛する思いは、それぞれではあるが、
その思いの先にある、共通認識を見いだすことができたなら、
より暮らしやすく、素晴らしい日高市が築かれて行くことと信ずる。
文責 奥武蔵ネット
okumusashi-bike.hatenablog.com
okumusashi-bike.hatenablog.com
okumusashi-bike.hatenablog.com
okumusashi-bike.hatenablog.com
okumusashi-bike.hatenablog.com