landscape
今年はいろいろありすぎた。 2009年。良い年となりますように。 年の終わり、大晦日、己へのケジメとして荒川源流へ向かった。 自宅から車で1時間半。同じ県内でも秩父はやはり遠い。まぁ、北海道や長野、岩手県内を移動するほどではないが。滝沢ダムの…
昨夜の奥武蔵、里では雨だったが、山間部ではおそらく雪だろうと、 関八州見晴台(771m)まで行ってみた。 ここは越辺川の源頭付近にあたる。 道中、標高400〜500m以上から雪に変わっていた。 風のない夜明け。雪が樹木にしっかり付着していた。 日の出…
8月の末、依頼仕事の合間を縫って久しぶりにプライベートの撮影に、千曲川源流へ出かけた。 源流部は緩やかな沢が流れ、暫く気持ちよく撮影していた。 しかし、それもつかの間、つい、うっかり触れてしまった直径20cmほどの流木丸太が足元に流れ落ち、岩と丸…
ホールでの撮影を終え、事務所への帰路、暗雲立ちこめる中、鮮やかな西日が武蔵野の水田を彩った。(川越市・5/27撮影) 水不足が心配されている。雪も降らず、雨も降らず。関東は砂漠への道を着実に歩み始めているのか。 それでも武蔵野の水田地帯は今たお…
今月2度目の沖縄取材から戻った。 見事に雨続きだったが、その分、しっとりとした「森日和」であった。 アカショウビンの鳴き声など聞きながら、気持ちの良い撮影もできた。 しかし限度があり、雷雨と豪雨にはいささか閉口だ。 沖縄北部、やんばるの自然は今…
明日から、駆け足2泊3日の旅。 再び沖縄へ。精霊の森を訪ねて。 実は4月の始め、5日間の取材に行った。 目的は5月のミュージカルでスクリーンに投影するために、沖縄の自然を撮り集めて来たのだ。 その時訪ねた場所に今一度行きたくなって、今回の旅となった…
正月元旦、ふるさと・奥武蔵の主峰「武甲山」を遙拝すべく、 未明の林道を峠まで走った。 昨日(大晦日)降った雪が全てを覆い隠し、辺りは太古の様相だ。 凛とした空気感の中、今年最初のシャッターを押す。 願いと感謝を込めて祈りの念で撮影に臨むこと。 …
普く照らす光を受け、森も人も蘇生する。 果てしない時間の中で、幾多の命が引き継がれてきた。 そしてまた未来へと受け渡してゆく。 個々の命はその橋渡し役だ。 ささやかに育まれてきた繊細なともしびを、 ひとつひとつしっかりと繋いでゆく。 わたしたち…
柳沢峠から稜線沿いに大菩薩峠へ向かった。 20〜30cmほどの積雪だ。トレースをたどって行くだけではあったが、 峠にたどり着いた頃には既に日没近かった。 眼下の富士川は竜のようにうねりながら黄金の輝きをみせている。 やがて対岸の南アルプスが鮮やかな…
東京都の水源・奥多摩湖。 森で生まれた一滴の水が集まるところ。 僕たちは水がなければ生きることなどできない。 水こそ全てを司る大いなる根源なのかも知れない。 ただただ、ありがたく感謝するのみだ。 1995.12 Canon NF1 20-35mm F3.5 RVP
下記の続き。 一行と別れ、下山途中にて。 朝はまだ明けたばかりだ。 典型的な冬型気候が拡がり、快晴の空に、 やけにシラカバの木肌が眩しかった。 なぜか私は樹木に対してエロスを感じてしまう。 木肌と光の調和にも。 1995.12 Canon NF1 20-35mm F3.5 RVP
巨大な岩石の塊。 それは天を揺るがすGODZILLA。 咆哮は風となり嵐を呼び寄せ、 永遠の力として人間を威嚇する。 ゴジラに捧ぐ・・・ 1999.10.23 Canon NF1 FD20-35mm F3.5L RDP
ブナの森 ダケカンバ・消えゆく光 2mを超える笹藪をかき分けながら、延々歩くこと2時間あまり。 頼りになるのは、足下に低く続いているけもの道だけ。 キツネかクマにでもなった気分で、半ば這うようにしてくぐって行く。 いやが上にも野性的気分が盛り上が…
尾瀬・燧ヶ岳中腹。標高2100m地点で迎える夜明け。 山の端から太陽が顔を覗かせた瞬間、 燃えるような紅が木々を染める。 と同時に、私の体を鋭気が突き抜ける。 ほんのわずか5分ほどの出来事だった。 このあと空はにわかに雲で覆われていった。 折しも台風2…
朝の光が池に差し込んだ瞬間、 水面から立ち上るモヤが白銀の輝きを見せる。 次々と天を目指しては、湧き上がる水。 液体から解き放たれた水の歓喜が聞こえる。 変幻自在に姿かたちを変え、天と地を往来する水。 やがて夜明けの儀式が終幕を迎える頃、 目の…
雲上の楽園とはこのような場所と瞬間を指すのだろうか。 普く照らす光はまさに大日如来を感じさせる。 極楽浄土への道はけして平坦ではないが、 一歩一歩歩き続けることで、皆平等に訪れる世界だと信じる。 そうでなければ、この世を生き抜くには辛いこと、…
メルボルン便りにトラックバック 水の源流を求めて黒部へ行った。 百聞は一見に如かず。 黒部のスケールはまさに大自然と呼ぶにふさわしい。 仮にだが、黒四ダムが無かったなら、 世界遺産に指定されてもおかしくないのではないか。 急峻な山々に囲まれた川…
三俣蓮華岳から流れる沢沿いをダケカンバが覆う。 風雪の絶え、見事に成長した木は美しくも力強い。 その光景にしばし見とれてしまった。 季節は足早に秋へと突入しようとしている。 やがて、烈風の季節がやってくる。 2004.9.11 黒部源流・富山 Canon NF1 F…
水面すれすれに立つ古木。 増水すれば根本まで水没するのは必至だ。 それでもあえて木はこの場所を生涯の地と選んだ。 たとえ、やがて洪水で流されようとも、 木はそれを喜び勇んで享受するのだろう。 水と木、どちらも元は一緒なのかも知れないと思う。 水…
黒部川・薬師沢出合から上流を奥の廊下という。 その奥の廊下で唯一本流の力を感じさせる地点。 核心部の瀑流は底知れない深みに消えてゆく。 ぞくぞくするような水のエネルギーを前に、 私に許されることはただただひれ伏すのみなのだ。 2004.9.12 黒部川源…
数日来、断続的に雨が降っていた。 大雪山・旭岳避難小屋で二晩過ごし、下山を始めた時のこと。 山麓へと続く登山道は幅が狭く、濡れて滑りやすかった。 おまけに霧も立ちこめ、視界が悪く明るさに欠けていた。 あるカーブに差し掛かった瞬間のこと。 下から…
富山湾を隔て、能登半島に日は落ちた。 夕日の向かう先はユーラシアか。 やがて、雲は天空を朱に染める。 私の目線は大気を突き抜け、地球を俯瞰する。 今日一日、無事に生きられたことに感謝しよう。 そして、明日の光に胸躍らせよう。 2004.8.15 富山・北…
標高1500m。八ヶ岳山麓に広がる八千穂高原。 この辺りは日本有数のシラカバ群生地として知られる。 シラカバは明るく光の注ぐ開けた場所に育つ。 幾度となく噴火を繰り返し、その都度、荒涼とした原野を、 せっせと森に変えるのが役目だ。 ところが、ようや…
極相を謳歌するブナの森から霧が立つ。 水の精が天に昇る瞬間か。 天と地を循環する水。 森はその浄化役だ。 水によって森は生気をたたえ、 浸み出す水は肥沃な栄養を海へと運ぶ。 海と森。 どちらも水に包まれている。 1995.8.26 青森・白神山地 Canon NF1 …
北海道を旅した後、フェリーで青森へ渡った。 青森は名の通り森の国だ。 白神山地、十和田、八甲田・・・ よくぞ、これだけの森が開発されずに今に至ったと思う。 森に抱かれながら無性に誰彼なく、感謝したくなる。 もはやこんな時代だから、いっそ青森全域…
岳沢側から絶えず湧き上がる雲間にジャンダルムが浮かぶ。 気の遠くなるような長い時間を経てできあがった自然界のフォルムは見る者を圧倒する。 魔性の黒い塊に多くの人が引きつけられ、そしてある者は帰らなかった。 大きな自然、偉大な自然を目のあたりに…
随分古い写真だ。 もう20年以上も前になる。 私が24才の時に撮ったものだ。 埼玉の自宅から自転車を漕いで尾瀬まで向かった。 三脚、35ミリ、ブローニーカメラまで持って・・・ 元気が良いというか、バカというか。 とにかくエネルギーが余っていた。 何かに…
夜明け前。 山頂にかかる雲が真っ先に日に染まる。 折しもペルセウス流星群の極大日。 未明には幾多の光跡が流れていった。 神の山・乗鞍に朝の光が差し込む頃、 眠い目を擦りながら、登拝準備にかかる。 1999.8.13 長野・位ヶ原より乗鞍岳山頂方面を望む Ca…