市民ミュージカル「キジムナー」開幕♪
水と森と命と・・・森羅万象・・・すべてはひとつ
物語の始まり。巨岩の隙間から、遠く神出る久高島を望む
森の精霊・キジムナーたち 写真はヒカゲヘゴ(やんばるの森)
今もキジムナーたちはこの森で暮らしているらしい。
かつて栄華をむさぼった恐竜たちは、植物から一方的に搾取するだけで何の還元もしなかった。植物たちは考えた。花を咲かせ、虫との共生を図った。恐竜は花を食べられなかった。やがて恐竜たちが迎えた結末。花は実を成らせ、その実を食べ、ほ乳類や鳥類が繁栄。自然界は秩序ある共生関係で成り立っている。果たしてヒトは・・・
んの命が奪われる。 ジェノサイド それはヒトがヒトとして扱われることなく、大量殺戮されること。そこに個人の尊厳はいっさい無い。
命は一枚の大きな布。すべては繋がっている。
争い、殺戮、破壊・・・
無益なことはやめ、そろそろこちらへ来ませんか。ニライカナイへ
共に共生しませんか。キジムナー棲む、ニライカナイで。
クライマックスは全員の大合唱「響き」・・・
心の糸を紡ぎ合い、響き合い・・・ひとつの大きな布を織ろう。
ニライカナイという大きな布を。
歌声の「響き」は客席を席巻し、天空を貫き、宙をめぐる・・・
激戦の沖縄戦。多くの沖縄島民や捕虜として連行された朝鮮人、さらには日本各地から徴集された若者たち・・・更に遙か彼の地から送り込まれてきた米兵たち・・・沖縄の地には夥しい人々の血が染み込んでいる。
争いとは・・・命とは・・・死とは・・・そして、平和とは・・・生きるとは・・・
沖縄での大量殺戮を淡々と語りながら、
このミュージカルはこれらの疑念を簡潔に表現している。
主催は平和憲法を守り、伝えようと集まった多摩地区の弁護士たち。
ミュージカルを通して平和を、そして憲法の意義を伝えることができないか。
公募で集まったのは市民100人あまり。
老若何女。健康な人も障害を持った人も、プロもアマもみんなで参加。
そして、ミュージカルの趣旨に賛同、呼応した様々なアーティストたち。
作・演出:田中暢、振り付け:石橋寿恵子、音楽:Matsunobu、そして写真:新達也
そのほかにも音楽演奏を担当したミュージシャンたち、さらには照明家や音響、装置舞台監督・・・ほんとうにたくさんのスタッフたち、そして何よりも裏方に徹して支えているたくさんの実行委員たち。それら多くの力が一丸となって、この公演は始まった。
100人の出演者に対し、おそらくその10倍にも上る人々が今回の舞台を支えているに違いない。
その思いは「平和」への願い。「未来」への希望。
昨日5/6公演はこうして開幕した。
ホールのキャパおよそ850座席。集まった観客950人余り。
満場の拍手が巨大な波動となって場内をうねる。
毎週のように仕事で様々な舞台を撮影しているが、
今回のような感動に包まれた、心からの拍手の波を僕は体感したことが無い。
その拍手の中身が、このミュージカルの全てと感じた。
この後ミュージカル「キジムナー」は下記の日程で上演されます
■2007.5.26(土)アミューたちかわ(立川市)
■2007.5.27(日)八王子市民会館
公演の詳細は 「さんたま憲法ミュージカル」WEBサイトをご覧ください。