ミュージカル「キジムナー」
今回のミュージカルキジムナーのために取材に行って来た沖縄の写真が、いよいよスライド映像としてホールでお披露目となった。
明日から4回の公演に備えて、今日は公開ゲネプロだ。場所は東京都町田市民ホール。
内容は戦時中の沖縄を舞台に精霊(妖怪)キジムナーを象徴とする自然界との関係性、生命のありかた、そして何よりも平和について考えさせられるストーリーだ。
一般公募で集まった老若男女の出演者100名あまりが、ステージいっぱいに踊り、そして歌を通して、メッセージを伝える。
僕の写真はそのメッセージの象徴としてある。
物語、振り付け、音楽、照明、そして映像と、何よりも出演者の思いが一致した瞬間、とても素敵な感動を味わうことができるだろう。
タイトルと共に今回のシンボル的写真「輪廻」がスクリーンに映し出される
(※このカットだけは、沖縄で撮ったものではありません)
ゲットウの花と共に、舞台はキジムナーが踊る
冒頭、タイトルに使用されている写真は巨樹・滝・川の3枚の写真による組み合わせ・コラージュとして作成しました。この作品のタイトルは、ずばり「輪廻」水の循環を表しています。(こちらを参照)
雲が雨となって一つのしずくがやがて滝となり、川となって海へと注ぐ・・・
この一点で地球の循環・・・全ては繋がっているということを表現したいと思ったのです。さらには「輪廻」から想像して頂きたいのですが、過去から未来へ。太古からの命の流れをも表現したいと思って作りました。それは、命を育み包み込んでいる目に見えない力・祖霊への賛歌でもあります。祖霊をどう訳すかは自由ですが、「精霊」でも「ニライカナイ」でも良いかも知れません。
生命は創世以来、静止することなく脈々と受け継がれ、流れ続けています。たとえその何れが欠けたとしても、今の私たちは存在しません。ご自分の先祖を考えて見て頂ければ判りますが、たとえ100世代前の一方が結ばれなかったとしても、あなたはここに存在しないのです。
では、1000代前は・・・ヒトではなかったかも知れませんね。
存在そのものが奇跡とも思える、同時代を生きる見ず知らずの100人の人たちが出会って、一体となる。これはもう奇跡を通り越した出来事かもしれません。「袖振り合うも多生の縁」という古い言葉があります。この「多生」こそが輪廻転生を表したもの。偶然の奇跡とも思える出会いが必然に変わる瞬間です。