マタニティ写真・・・マタニティフォト・・・母と子の至福な時間
妊婦さんを撮影すること・・・それは僕一人ではとてもできない。相手が女性で、しかも最もデリケートな体調時での撮影とあって、サポートに妻の力が欠かせない。アシスタントとして、そして妊婦さんへの配慮やケアも含めて、やはり男の僕だけでは、ただうろたえてしまう瞬間も予想できるからだ。そして何と言っても二人の命をこの世に誕生させた女性としての経験が、妊婦さんの表情を和らげさせる。
妊婦の表情はとても素敵だ。母と子が最も結ばれている時間・・・それは母子ともに至福の時間。
母の羊水に包まれたような気持ちを抱く瞬間がある。
妊婦の幸せいっぱいな表情を見ていると、まるでこちらまで母の羊水に戻ったような安心感と安堵感に心身ともに癒されるのだ。
出産に際し、父親として、夫として、男性の協力は女性に安心感を与える。
生まれ来る赤ちゃんが、愛され、望まれてこの世に生を受けた証とも言える、
夫婦でのマタニティ写真。
たくさんのバリエーションが考えられる。
ポーズ、背景、コステューム・・・
出産を間近に控えた夫婦の共同作業として、ありのままの姿を記録に残したい。
撮影のタイミングはいつでも良いと思うが、
36週目から38週目が一番お腹の形が美しい。
それを過ぎると、赤ちゃんも誕生の準備に入り、下腹部へと下がってくる。
それにつれ、お腹の形も変わってくる。
その時にしか撮れない写真がある。
それこそが、写真の力が最も発揮される瞬間といえる。
ビデオでは表現し得ない、写真ならではの世界。
瞬間を切り取り、永遠のものにする、魔法の力。
写真家とは、その魔法を操るマジシャンなのかもしれない。
写真家は被写体に対し、愛がなければ良い写真は撮れない。
愛 とは摩訶不思議な概念だ。
様々な 愛の形がある。
少なくとも、写真家として備えていなければならない愛情表現、
それは、普くものへの慈しみの心。そして正義の心だ。
また、未来への希望と願いを忘れてはならない。