かけがえのないもの
今朝、長女が修学旅行へ向かった。文化と歴史の宝庫、京都・奈良へ二泊三日の旅。茶の間でのひととき、出がけに膝の上に乗ってきた。本人は椅子代わりのつもりらしいが、中学3年にもなって、屈託無く父の膝に来る娘が愛おしい。
先日、自宅の書棚を整理したところ、こんなプリントが出てきた。
(色調はPCで調整したもの。オリジナルプリントは8×10RCペーパー)
父として、家族にレンズを向けるのは当然だが、
職業写真家としてはそう単純にはいかない。
テーマは? コンセプトは?・・・などと考えてしまうと、シャッターを押せなくなってしまう。
それでも気が向くと、モノクロで撮影することもあったが、そう多くはない。
自宅の暗室環境が無くなってからは尚更で、たまに撮影しても、もっぱらカラーとなり、モノクロ・ブローニーの出番はほとんど無くなってしまった。
自分にとってかけがえのない写真て何だろう。
テーマに沿った表現として納得のゆくものが撮れたとして、
それはそれでかけがえのない写真であることは間違いない。
その時その時の、全身全霊をかけ、時には命がけで撮った写真も多い。
しかし、表現にはこれで良いということがない。
もっと、もっと・・・といった飽くなき欲求のようなもの。
言わば際限が無い。
反面、プライベートなものである「家族の写真」
仕上がりはどうであれ、それはどうも写真家にとっても特別なもののようだ。
二度と呼び戻すことのできない時間とシーン。
家族が、家族としていられる時間はあまりにも限られている。
その共有した時間をビデオに残すのもいい。
だが静止画像としての写真には、動画には無い「力」がある。
そして家族の存在が、僕の生きる「力」となる。
※5/26から始まるJPS展。一般公募作品とともに会員作品も展示される。今回の会員テーマは「日本の家族」だ。この春入会したばかりの僕は出品には間に合わなかったが、家族を見つめ直す良いきっかけとしたい。
東京展 東京都写真美術館 B1F 5/26~6/10
関西展 京都市美術館 6/26~7/1
名古屋展 愛知県美術館 7/18~7/22