EARTH-BLUE DAY'S
■Rollei 35RF Sonnar2.8/40mm HFT RVP100
一点の曇りもない、抜けるような青空が好きだ。
秋から冬にかけ、太平洋側はそんな空の日が続く。
どこまでも蒼く、シャープな空気感。
しかし、いかにシャープに見えようとも、現代の大気は霞んでいる。
遠方の視界が見えにくくなったのは、何も目が悪くなったせいだけではないだろう。
平安の時代、伊勢の海辺からも富士が容易に望めたという。
おそらく好天の日には当たり前に見えたのであろう。
それが更に太古の時代だったらどうか。
大気は果たしてシャープだったか。
列島には活火山がひしめいている。
あちこちから噴煙が上がり、澄んだ空どころではなかったかもしれない。
自然界はいつも単調で同じようでいて、
実は絶えず変化している。
そうとなればこそ、この希有な瞬間を真摯に生きようではないか。