樹海・富士山・山梨
青木ヶ原から、スバルライン4合目を越えたあたりまで、
富士の北西面には素晴らしい樹海が広がっている。
荒涼とした溶岩塊の上に長い年月を掛け、ようやく成長した森だ。
アカマツ、ツガを主体とするこの森は、著しく途上の過程にある。
森としての密度が高まり、林床全体がふくよかな土に覆われるまで、
いったいどれくらいの時間を必要とするのだろうか。
ご存じ「青木ヶ原」の印象はマスコミの手によってひどくデフォルメされている。
森はただ然として、そこにあるだけなのに。
人の尺度を超えた生命力とエネルギーに満ちた森を、
興味本位のむやみな好奇心と怪異の目だけで見てしまうと、
本来人間が持ちあわせている大切な感覚を見失ってしまうことになる。
ニュートラルな心で自然界には接したいものだ。
2000.11 Canon F1 FD50mm マクロ RDP