周囲を3000m級の山々に囲まれる黒部源流、雲ノ平周辺から
街の光はまったく見えない。
空気中に漂う塵によって光の乱反射はあれど、
間違いなく日本有数の星空が見える場所だ。
おりしも、天空には夏の大三角形が大きく広がる。
はくちょう、わし、こと座それぞれの一等星がまばゆく輝く。
その間を壮大な銀河が南北へ横たわる。
嘗て子供たちは夜空を仰ぎ、無数の星々に希望を託し、夢を抱いてきた。
しかし、今、都市部で見える僅かな星の点像からは、何の感慨も生まれない。
最も遠くて近い存在であった満天の星空は、
今や、辺境や離島へ行かなければ見ることができなくなってしまった。
せめて、次代の子供たちには、もう少しましな夜空を見せてあげたい。
2004.9.12 天頂付近の星空・黒部川源流・富山
Canon NF1 FD28mm F2.8 RVP100
※追伸:写真では肝心の銀河が良く見えないのが残念です。
固定露出約1時間は長すぎました。
後半は夜露にレンズが濡れ、星像がやや薄れてしまいました。