早朝、わんこと共に、自宅の裏山にある山の神に新年のご挨拶に行ってきた。
元旦から穏やかな日がずっと続いている。
反面、関東が晴れということは日本海側は雪模様ということか。
こちらは雨が全く降らないで困っている。
空気は乾燥し、庭には砂埃が舞い上がり、
畑の野菜は水分少なく、みずみずしさが欠ける。
こんな時期は火事に要注意。
くれぐれも火の元に気をつけるに越したことはない。
■写真家 新逹也の世界 オフィシャルウェブサイト
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埼玉県日高市の高麗山聖天院、正面入口を入ってすぐのところに、風格を感じる山門がある。
この山門の両脇に鎮座する木像の風神様、雷神様。
高さおよそ2mほどか、江戸期のものらしいが、その凄みのある風貌は、結界を守るには十分な威厳に満ちている。
拙宅からここまで、徒歩2〜3分。
子どものころから聖天院は遊び場であった。
風神も雷神も、幾度となく見ているわけだが、
それでも、見るたびに、何かハッとさせられるものを感じるのだ。
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門の両脇、下手に雷神、上手に風神が鎮座している。
二階には非公開ながら、木像の羅漢様や仏像が何体も安置されている。
中門を越え阿弥陀堂を下手に見ながら進むと本堂への石段がある。
途中には踊り場があり、休みながら上る人が多い。
周り廊下伝いに本堂を一周。
ここからの眺望はなかなkのもの。
富士山まで望むことができる。
聖天院の名の由来ともなっている秘仏・歓喜天(聖天さま)が収められている逗子。
もちろんお目にかかったことなどない。
本堂の奥、これらの霊牌は収められている。
勿論、我が家のものもある。
この日は風強く、本堂内部まで入ってきた。
一瞬風がやみ、お香の煙が真上に向かった。
けして大きなものではないが、
その威厳は十分だ。
住職とは幼馴染ということもあり、何かと便宜を図ってくれる、ありがたい存在だ。
まるでアコーデオンを演奏するかのよう。
積み重ねられた膨大な経文が次々に読経とともに展開されてゆく。
魂を込めた読経は鬼気迫るものがある。
ほんの僅かな種火から、徐々に徐々にと火が大きく、高くなって行く。
2m近く昇る炎。
この後いよいよ護摩お焚き上げが始まる。
嫁ぎ先の先祖供養のため、毎年欠かさずにやってくるというご婦人。
たまたま終了後、話を聞くことができた。
事前に申し込まれた御札の袋が次々と炙られて行く。
これにより、御札に命が吹き込まれ、各々の祈願成就を果たすことになる。
風強く、本堂のひさしに吊り下げられた色とりどりの布が時折大きく揺れる。
西から東へと吹く風に雲が行く。
よく見ると、実に様座な表情が見えている。
大護摩供は毎年1月3日午前11時から執り行われる。
見学も自由とのこと。
ぜひ、一度はご覧頂きたい。
詳細は高麗山聖天院公式ホームページで
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アシスタント時代から数えると、早くも40年になろうとする職業カメラマン生活。
この間、様々な紆余曲折があったものの、何とか今日までたどり着くことができました。
これはひとえに、これまで僕に携わってくださった方々のお陰と、心より感謝申し上げます。
にも関わらず、この10年あまりは、鬱、引きこもりを繰り返し、大切なクライアントさんの信頼・信用をことごとく失ってしまい、僕に声をかけてくださった本当に多くの方々に御迷惑をおかけいたしましたこと、改めてお詫びいたします。
当初は皆さん心配してくださるものの、それが徐々に失意となり、やがては失望・断絶という経緯を辿ることが常でした。
更にこの一年は、新型コロナウイルス感染症が席巻、ほそぼそと繋がっていたイベント撮影すら、中止となる有様になお、追い打ちをかけるように、昨夏には最愛の母を亡くしたことが引き金となり、再び気力の完全喪失、暗い穴蔵の片隅へと一人こもってしまいました。
その結果、せっかく大切に撮り進めていた冒頭写真の「amane」シリーズも頓挫、毎回全身全霊で撮影に臨んでくれたモデルさんに対して、言い尽くせないほどの失望感を与えてしまうことになりました。
この「amane」撮影プロジェクトは、奥武蔵の渓流や山を舞台にしたファンタジー作品として、カメラマンとモデルの双方が互いに表現者としてのイーブンな立場で、毎回話し合いと試行錯誤を繰り返しながら撮り進めてきたものです。
そんな大切に温めてきたプロジェクトを、一方的に頓挫させてしまうという行為。それは写真家として犯してはいけないこと。職業人としてとても恥ずべきことと、今は深く反省し、気付けばとても深い喪失感を味わっている自分がおりました。
昨年11月、母の百か日を機会に、祭壇を片し、位牌を仏壇に収めることで、気持ちに幾分余裕も生まれ、心の中に少しづつ希望の光が輝き始めてまいりました。
そうなるとようやくカメラを持ち出して、写真を撮ろう!という気持ちが湧いてきたのです。まるでリハビリのように、僕は身近な被写体にレンズを向け、少しづつ写真を撮りはめました。
12月に入り、フィールドへも撮影に行けるようになりました。
そこで写真を撮るということが、こんなにもワクワクし、血騒ぐことなのだと、およそ半年ぶりに実感しました。
僕にとって写真を撮ること、それは生きること、そのものなのだと、再び気付くことができたのです。
僕が誰からの依頼も受けず、純粋に撮りたい写真とは何かを、仕事も無く、空っぽの状態で考えた場合、やはりフィールドでの写真に尽きるのだと改めて思い起こすに至ったのです。
人も自然も、同じスタンスで撮ること。目に見えない何かを写し込みたい、魂が揺さぶられる、何かを。
もう少し具体的に言えば、その何かとは、人や自然からほとばしる、Energy、Elos、そしてSpiritなのだと、思い至ることができるのです。
これまで人に対して、繰り返し幾度も、何人も傷つけてきた僕が、性懲りもなく、再び人を撮りたいなどと、とてもおこがましいことなのは重々承知の上、それでもなお、僕は撮りたいと思う被写体に対して、恥も外聞も無く(失うものの大半を失ってしまった今だからこそ)撮影するでしょう。
それが僕にとっての生きるということだから。
天から与えられたこの命、あと何年持つかわからないけれど、命尽きるまで、命全うするまで、僕は表現者として、写真家として、写真を撮り続ける覚悟です。
そのためには、もう、何ものからも逃げたり、隠れたり、投げ出したり、けっしてしないと、前に向かうと、心に決めたのです。
令和三年元旦 新逹也
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