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写真家の日常と表現

水辺・ミヤマアカネの産卵

ミヤマアカネ


写真展・写真集「奥武蔵・彩」より
撮影:1980年11月
場所:奥武蔵・巾着田
Canon F-1 FD 200mm F2.8 with Extension Tube

この年の7月に父親を亡くし、ナーバスな日々を過ごしていた頃のこと。
末の弟はまだ高校生。都内の貸しスタでスタジオマンとして修行中であったが、
それでは、生活もままならず、所沢の写真館に勤め始めたばかりであった。

ある秋の晴れた日。自宅からほどない場所にある巾着田をフラッと訪れた。
田んぼの直ぐ脇には高麗川を隔て、母校の高麗小学校があり、このあたりは幼少の頃から遊び親しんだ場所だった。
見るとたくさんのアカトンボ(ミヤマアカネ)が僅かな水の流れに産卵中であった。
私はそれを夢中で撮影した。
そして、ある手応えを感じ取った。感触といっても良い。
自然界に対してレンズを向ける感覚が身体を通して会得できた瞬間だった。

この時撮影した別カットは1986年の「視点展」(日本リアリズム写真集団主催)に出展している。

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