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写真家の日常と表現

岩壁に生きる

深山に育つ岳樺(ダケカンバ)が好きだ。

たまらなく愛着を感じる。

山を歩いていて、見かけると思わずファインダーを覗いてしまう。

 

岳樺は白樺の仲間だ。

明るく開けた環境を好む白樺に対して、岳樺はもっと標高の高い(あるいは緯度の高い)場所に生息する。一部両者の入り交じる環境もあるが、多くの場合、しっかりと棲み分けている。というより、どちらもお互いの環境では暮らせない体質らしい。

 

ヒョロヒョロとした一見弱々しそうな白樺に比べ、岳樺は力強い。

劣悪な環境・逆境に強い植物といえる。

そのたくましさに私は惚れている。

 

この写真は私の所属している山岳会(直登会という)の夏合宿で北アルプスの鋭峰、剣岳へ行ったときのもの。

池ノ谷から本峰へ向け真っ直ぐ切り立つ剣尾根のクライミング中に出合った。

人はザイルで体を支え、立つのもやっとのような岩壁に何喰わぬ様子で生えている岳樺に感動を覚え、夢中でシャッターを切った記憶がある。

 

以来、私は岳樺に心を奪われてしまった。

 

1984.8 富山・剣岳・剣尾根

Canon F1 FD85mm F1.8SSC KR

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